【開催報告】第3回 茅ヶ崎ミライトーク ~連携・協働のまちづくりを市民活動団体と市が 学び 考え 語り合うイベント
NPO講座4
「第3回 茅ヶ崎ミライトーク」
行政と市民活動団体が、5年後・10年後の輝く未来に向けて、互いを知り、まちづくりへの思いを語り合う対話イベントの3回目を開催しました。

日 時:2026年2月23日(日) 14:00~16:00
会 場:ちがさき市民活動サポートセンター フリースペース大
参加者:51名(プレゼン団体、一般参加者、行政職員、手話通訳者、サポセンスタッフ含む)
≪プログラム≫
(1) ミニレクチャー「行政との協働・連携について~笑顔と活力にあふれるまちづくり」
(講師:市民自治推進課 協働推進担当職員)
(2) 事前エントリーによる4団体からのプレゼンテーション
~活動紹介、「市と連携したいこと、一緒に取り組みたい事業」の提案
・塩崎副市長、岸副市長から各団体へのひとことコメント
・提案内容について会場内参加者との質疑応答、応援メッセージ
(3) 未来のまちづくりに向けて佐藤市長からのメッセージ
プレゼン参加団体 ~ 発表テーマ・内容
1. LALA+(ララプラス)からだとこころの学びと相談の会
助産師を中心とした医療専門職チームによる
「はじめようプレコンセプションケア ~ プレコン出前講座」

助産師というと、赤ちゃんを取り上げる人、お産のイメージがあるかもしれないが、私たちは思春期の悩みや更年期の不調の相談にも応じている。
「プレコンセプションケア(プレコン)」は、早い段階から自分の体を知り相手の体を尊重し健康づくりに取り組むことで未来の自分を守る、という、男女ともに関係する大切な考え方。茅ヶ崎市は近年、子育て世代、すなわち未来を担う若い人が増えているが、実際に若者が自分の体について学ぶ機会は少なく、あふれるネット情報の中で何が正しいのかもわかりづらい現状があると感じている。
私たちは体験型講座を通じて、自身の体や将来を考える機会を提供したい。現在は、少人数での講座を企画し要望があれば実施している段階だが、今後はその効果を検証し、5年ほどかけてプレコン教育「茅ヶ崎モデル」の確立を目指したい。特別なものではなく、生きるすべての人たちの健康に関わる教育となるよう、市や教育・保健・福祉関係機関と連携し、市民のみなさんからも広く意見や協力を得ながら進めていきたい。
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2. 乳がんサポート湘南ちがさきAkala
「茅ヶ崎の方に、乳がんについてもっと知ってほしい‼」
市民が毎日のように乳がんの情報に触れる機会をつくりたい、市職員に乳がん検診の義務化を提案

市立病院で乳腺外科の医師をしている。乳がんは日本人女性の9人に1人。
特に働き盛りの方が罹患するため、生産性の喪失、医療費を含めた経済的な損失が多い。茅ヶ崎市の検診受診率は県平均と比較して低く、結果もう治らないというステージ4になって受診する患者が多い傾向にある。乳がんは早期に見つけてしっかり治療すれば、療養期間や治療費も少なくすみ、決して怖い病気ではない。検診を受けないことも受けさせないことも、とてももったいない。
私たちは、乳がんサバイバー(治療をされた方)と医療従事者が集まって、病気があっても健やかに晴れやかに、この地で生きていけるよう願って活動を始めた。がんになった経験を語ることで、誰かを救っていくようなケアの循環を目指している。
市医師会公認リーフレットの設置や配信(特に乳幼児の保護者世代へのアプローチ)、ピンクリボン自動販売機の設置などにより、市民が多くの場で繰り返し「乳がん」というワードに触れることで、正しく恐れ備えるがん防災という姿勢がうまれると思う。行政と医療者とが協働して啓発に取り組んでいきたい。
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3. 湘南SHOW点
「共生ソング&防災盆踊り」
障がいの有無や年齢を超えて、音楽や声・身体の表現を追求! 「共生」「命の大切さ」を茅ヶ崎から発信したい

2010年、様々なジャンルのアーティストや講師が集まり、「アートや音楽で地元湘南を盛り上げる!」をコンセプトに団体を設立した。茅ヶ崎市げんき基金補助事業で「茅ヶ崎・赤とんぼ音頭」「浜降サンバ」のPVを制作。その後は国や県の助成を受けながら活動をひろげ、障がいのある方々や東日本大震災の被災地ともつながり、近年は平和をテーマに、インクルーシブ音楽朗読劇の制作や「被爆ピアノコンサート」の開催、茅ケ崎支援学校の生徒バンドからの依頼で「やればできる!共生(ともい)きソング」とPVの制作、ライブ配信なども行っている。
今日紹介する「いのちを守ろう音頭~てんでんこde防災」は、東京の防災啓発団体からの依頼があり、仙台の防災フォーラムでワークショップを行い、公募の歌詞をもとに制作して新潟の防災国体で発表した。新聞に掲載されたことで、都内を中心に様々なところから出演依頼をいただいているが、津波のリスクが高い茅ヶ崎でこそ、この盆踊りを通して「防災・命の大切さ」を伝えたい。市の防災対策課、地域、学校、福祉施設ほか、いろいろな方とコラボできたら嬉しい。
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4. 一般社団法人4Hearts
「感覚の経験値を、街の資源へ 感覚を起点とした社会参加動線の実証」
孤独孤立対策について、支援を増やすのではなく関係が切れない構造をつくる、減らすのではなく関われる余白を増やしたい

聴覚障害に限らないコミュニケーションバリアに対して意識変革・行動変容を促しながら、社会構造から変えようとしている団体。
どう支援するのかではなく社会の前提をどう設計しなおすか、問い直している。日本には聞こえにくさを抱える人が1,360万人以上(だいたい10人に1人)いると言われているが、加齢性の難聴、手帳を取得できない片耳の難聴、突発性難聴、最近若者に多いイヤホン難聴など、大多数は制度の外、狭間にいて日常生活の中に困難さを抱えている。迷惑をかけたくないと感じ、少しずつ会話から距離を置き、社会参加から遠のいてしまう「心の低温やけど」。見た目にはわかりづらいからこそ起きる構造的な課題がある。
私たちは、自分を支援対象だと思っていない制度の狭間にいる人に対して、福祉ではなく、自分の「感覚」を使って創造的に社会に関われるような導線、入口の設計を考えている。では「感覚」を使うとはどういうことか? 聞こえにくい環境の中で生きる人は別の回路で世界を受け取る。社会に適応するために必要に迫られて蓄積された生存戦略の感覚データベースは未活用の資源と考える。感覚の違いを資源として社会設計を試す実験室「感覚共創ラボ」へ、どんな言葉なら足を向けるのか、どんな設計なら参加するのか、検証することからはじめたい。行政関係各課と横断的に連携していきたい。
今回は、市民活動団体からの提案発表後に、副市長からのひとことコメントに加え、一般参加者やプレゼン団体参加者からの質疑応答を行いました。また、団体の提案事業を実現するためのアドバイスや連携に向けたアイデア、発表者や活動自体へのあたたかな応援メッセージもいただきました。

最後に、佐藤市長から「未来のまちづくり」に向けた力強いメッセージをいただきました。
『LALA+』や『Akala』の活動に対し、若い子育て世代の市民が増えている現状やご自身の経験もふまえ、人の温かみが伝わるような相談窓口が必要であること、特に若い人たちへの健康教育やがん検診は大事であるとのお話がありました。また、「ともに生きる社会かながわ憲章」が今年10月で、10年の節目になること、障がいのある方が積極的に自分のやりたいことで輝けるよう、環境を整えていきたいこと、『湘南SHOW点』や『4Hearts』とのコラボへの期待についても語られました。

そして、「人口減少に転じる茅ヶ崎市では、AI活用やDX化、広域的な視点に加え、何よりも市民の協力が大事。ミライトークのような機会を通じて行政と市民、市民活動団体同士の関係がより深まることを期待したい」と締めくくられました。
終了後には交流の輪がそこここで見られ、「たくさんのつながりができた、参加して良かった」という声も直接いただきました。様々な活動団体同士が連携するきっかけとなる機会を提供することができたと実感できたイベントとなりました。
これまでの「茅ヶ崎ミライトーク」開催報告は、次のリンクからご覧いただけます。【第1回】【第2回】
【アンケートより(一部抜粋)】
~ プレゼン参加団体 ~
- 様々な活動と茅ヶ崎市の特性を知ることができて良かったです。自分たちの視点だけでは、横の繋がりの新しい活動が生まれないように思います。
- 今回のプレゼンを通じて、私自身も改めて思考を整理することができ、大変有意義な機会となりました。 「前提知識のない方々に、いかに目線を合わせて理解を深めてもらうか」という点は、いつも課題ですね。
- 参加者の皆さんからのヒントや応援する言葉をもらい、今後のイメージが広がった。
- 自分たちに発表の機会をくださって感謝と共に、他の市民団体の方々とも共有もさせていただき、とてもいい時間になりました。
- 様々な活動があり、とても興味深かった。自分たちの活動と繋がるものも多く、たくさんコラボできたら良いなと思った。市民団体が横に繋がり活動できる環境が出来るといいと思った。
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~ 一般参加者 ~
[参加理由]
- 他団体活動を知り、繋がりを作りたいと思った。
- 市と一緒に取り組みたいどんな事業があるのか知るために参加した(自分たちの団体も協力できることがないかと)
- 茅ヶ崎の熱い人に会ってみたかった。
- 地元の茅ヶ崎でのいろいろなコミュニティに関心があるので参加させていただきました。
- 元々、まちづくりは興味があり、自治会の防災委員をしたり、市役所のイベントへ積極的に参加しています。毎年このイベントは初回から参加させてもらっており、毎年新発見があり、かなり刺激になりました。
- 茅ヶ崎ミライトークが大好きです。新しい方々との出会いがうれしいです。

[感想、ご意見]
- プレゼンされた団体の真剣な取り組み姿勢に感銘しました。このような場に市長と副市長でいらっしゃっていることは素晴らしいと感じました。
- 各団体の活動内容が聞けてとても良かったです。市側の感想が、感想だけで終わらず、どのように関わり実現していくのか、楽しみです。
- 参加団体同士が協力し合うことで、行政へのアプローチが大切だと思います。
- 種々の活動が行われており興味深い。またアプローチの仕方が色々あり、他団体とのコラボレーションが出来れば良いと感じた。
- 行政からの感想もリアルに聞けたのが良かった。発表団体さんの活動が詳しく分かった。企業として協働したいと感じた。
- 全体的には、女性のパワーを強く感じました。きっと茅ヶ崎から社会が良くなっていくと思えます。
- いろんな面から取り組みをされている人がいて、勉強になりました。
- 今まで知り得なかった見方、知見に触れることができ有意義な時間でした。
- とても和やかな雰囲気が良かったです。発表(活動報告)をされた皆様の思いが伝わってきました。市長・副市長さんのお話もサポートセンターへの期待と感謝の気持ちが伝わりました。会が終了された後の皆さんの交流もとても良かったです。
- 市民団体で活動することにおいて、活動が自身の団体の中でやり続けることに精一杯なところもあると思います。その中で今回の様な会があることは、とてもありがたいと思いました。もし今後、可能であれば1:1のQAではなく、グループを作っての話し合いが会の中で設けられると、つながりが生まれていきやすいと思いました。
- 市が出来ない範囲で、ここをなんとかして欲しいんだけど(自分達は予算も主体で動くのも無理だけど)って思っているところを逆プレゼンして欲しいといつも思います。
【サポセンの運営へのコメント、提案】
- 市民活動サポートセンターをどう利用していくのか分からなかったので、今後利用させていただこうと思えたイベントでした。とにかく皆さんの熱い気持ちを「どう伝えるか」という、お勉強をさせていただきました。
- こういった機会を継続的にしてほしい。33年間茅ヶ崎に住んでいますが、まだまだ知らないことがあり、今後もっと知りたくなりました。横の繋がりを、更に進めてほしいと思います。
- 急速な技術の発展のおかげで、普通に話している状況をかなりの精度で文字起こしができるようになりました(ネットにつながるPC1台とZOOMやAIがあればOK)。今回のようなプレゼンの場の話とコメントを全て文字起こしして、①スクリーンに表示できるように、②先々でAI分析できるようにテキストデータを持ち帰るようにしていくことがこれからはスタンダートな運営になると思います。ぜひ茅ヶ崎から始めてほしいです。


