茅ヶ崎市合理的配慮促進条例を考える会
茅ヶ崎市合理的配慮促進条例を考える会(略称CGH:Chigasakishi Gouriteki Hairyo)
茅ヶ崎市が誰もがともに住みやすい街となることを目指し、障害者権利条約、障害者差別解消法等にある障がいのある方への合理的配慮について、茅ヶ崎市の条例の制定に向けて、専門家、障がい当事者とその家族、関係団体等と連携し、市民への各種啓発活動を行っています。(設立2023年1月、会員15名)
《代表の松永徹さん、事務局長の渡邊亮介さんからお話を伺いました》
合理的配慮ってご存じですか
皆さんは「合理的配慮」という言葉を聞いたことがありますか。ごく一般的な2単語の組合せですが、近年では障がいのある方々に関して使われています。発端は、2006年に国連で採択された「障害者権利条約」の中でうたわれているreasonable accommodationを和訳したもので、CGHでは「障がいのある方々の人権が障がいのない方々と同じように保障されるとともに、教育や就業、その他社会生活において平等に参加できるよう、それぞれの障がい特性や困りごとに合わせて行われる配慮のこと」と説明しています。
その後、2015年に「障害者差別解消法」が施行され、神奈川県でも2023年に合理的配慮を促進する条例が制定される中、わが茅ヶ崎市でも条例を、ということで、障がい当事者とその家族を含めた有志で設立されたのがCGHです。
↑一昨年開催した地域の方々による
シンポジウムも盛況
合理的配慮って具体的には
では、具体的には合理的配慮とはどんな場合に必要となるのでしょうか。2024年の法律改正で、行政機関に加え事業者によるその提供が義務付けられました。分かりやすい事例としては、車いす利用者来訪の際の段差解消のために、簡易スロープで対応する、段差を越える介助をするなどの対応が挙げられます。バリアフリーという言葉もありますが、この例であれば、合理的配慮ではスロープの整備が必要なのではなく、障がい者と事業者とが建設的に対話して、事業者の過度な負担にならない範囲で、共に解決策を見出していくことが主眼です。
しかし、実際にはどういう場面でどこまで対応してくれるのか、対応すべきなのか、お互いに苦慮している状況が見られます。CGHでは、双方で対応に困った事例等を広く募集しています。
募集の投稿フォームはこちらをご利用ください
合理的配慮を広めていくために
団体設立以来、CGHはこの取組みを市民へ広めるために、地道な活動を積み重ねてきました。この分野で先進的な千葉県での条例策定に尽力された野澤和弘氏の講演会を皮切りに、他の自治体で制定された条例を専門家、学識者も交えて学習、研究してきました。昨年には、市内の商店の店主や郵便局の局長を招いて、日頃の対応を語り合うシンポジウムを開催しました。今後も市民の気運を高めていくために、新たな催しを企画していきます。
国の法律や県の条例があっても、合理的配慮を市民にもっと身近なものにするために、CGHは茅ヶ崎市独自の条例の制定にこだわります。そしてその内容も、啓発や宣言にとどまらず、対応を巡るトラブルを未然に防ぎ、解決していく仕組みがある実効性を伴ったものにすることが求められます。一方で、障がい者と事業者間の話にとどまらず、市民にいかに関わってもらうかに腐心していくことも大切にしています。
合理的配慮を共生のキーワードに
「そもそも合理的配慮は障がい者だけではなく、高齢者や子ども、病気の方など社会的弱者を対象として考えていくべきもので、それが多様性を認め合い、誰もが住みやすい街になるのだと思います。」と渡邊さん。そこで、めざす条例の仮称も「障害のある人もない人もともに暮らしやすい街づくり条例」としています。
長年、社会福祉法人で障がい者の支援に携わってこられた松永さんは続けます。「私たちは一貫して『誰もが地域で暮らすために』をテーマとして掲げてきました。このいわば『共生社会』こそが本当に豊かな街なのだと思います。その鍵になるのが、一人ひとりを大切にし合う合理的配慮が浸透していくことです。
そして、条例が制定されることで、市民がより主体的にそうした街づくりに関わるようになり、それが文化となり、当たり前のことになることを願っています。」
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