【開催報告】2024_ボランティア塾 in 鶴嶺高校『探求の授業』

ボランティア塾 in 鶴嶺高校『探求の授業』
☆テーマ:SDGs

◇ 日 時:2024年10月3日(木) 5・6校時

対 象:1年生 381名

◇ 第一部:全体授業
<ゲストスピーカー>
BENIRINGO 地球過保護プロダクション(田中藍奈さん・阿部汐里さん)

◇ 第二部選択授業
<市民活動団体>
サンチャイ・ネパール ねぱるぱ/筆記通訳サークル「虹」/PuHU~わくわくする健康おせっかい/NPO 法人赤ちゃんからのアートフレンドシップ協会/遊びでまちづくりする準備室/市民劇団オンリーワン/チームみつばち/NPO法人 発達サポートネット バオバブの樹/ふらっと南湖(南湖ハウス)/湘南やさしい日本語プロジェクト/わんにゃんマルシェ/TAKURAMI不動産/湘南のきさきフルーツプロジェクト/防災スイッチオン!プロジェクト/平和を考える茅ヶ崎市民の会/Familio(参加16団体・掲載順)


2010年から探究学習の授業支援として実施しているボランティア塾では、ちがさきサポセンが市民活動団体による授業をコーディネイトして、団体の活動や思いを高校生に伝える授業を実施しています。

今年のテーマは「SDGs」で「茅ヶ崎×SDGs」の観点から、一部・二部ともに生徒たちに質問シートを作成してもらい、各団体への質問をインタビュー形式で行うことに挑戦。高校生が地域や社会の課題を知り、社会貢献や自身の進路・生き方を見つめ直す機会となるような『探究学習』となることを目指したいと考えました。


<第一部/BENIRINGO 地球過保護プロダクション
『楽しいが行動につながる』
~私たちが感じた 身近な課題と 課題解決に向けた 自分達らしい働き方について~

 

3度目のゲスト参加となる、BENIRINGOのおふたり。生徒2人の少し緊張気味な司会で講義はスタート。
「環境問題」の情報が、天気予報と同じくらい身近な社会を目指して! がテーマの講義内容は以下のようなものでした。

1.田中 藍奈(たなか あいな)さん、阿部 汐里(あべ しおり)さん 自己紹介

2.現在の活動を紹介・・・情報配信のツール(フリーペーパ/訪問授業/イベント開催(相模川河口クリーン作業)/ラジオDJ等)を活用して、団体の活動を発信している。

3.「BENIRINNGO 地球過保護プロダクション」結成の経緯、ふたりの出会い・・・当時を振り返るような思いも込めて 
・中学生時代に食品ロスと飢餓問題に関心を持ったこと
・将来仕事に就くなら課題改善に繋がることをしたいと思ったこと
・高校3年生の2019年にSDGsを知り、2015年に誕生していたSDGsを4年も立っているのに、何で知らなかったのだろうと疑問を持ったこと
・2030年に目標達成するにはみんながSDGsを知る必要があるとおもったこと
高校生が興味を持ってくれるような、優しい口調でお話ししてくれました。
そして、2020年にSDGsを実践する場所を作りたいとの思いから、古着を回収して藍染めをしたSDGsぷちマーケットを開催、この時に出会ったふたりが意気投合し、更なる相乗効果をもたらす発信力や行動力の規模拡大につながり、今に至っていること。これまで「多くの人と出会い、多くの人に支えられている」と明るく語ってくださいました。

 

4.社会活動の具体的な取り組み紹介・・・生徒の興味と印象を深めるためいくつかの質問を混ぜながら、海のゴミ /相模川の河口清掃 /海洋プラスチックゴミ /海外のゴミのイメージ(カンボジアを例に)を紹介。
現在、ごみ問題・環境問題・社会問題など多くの問題が山積していますが、自分で知り・考えそして自分に合った人と繋がれる方法を実践してほしいと結びました。


「環境で茅ヶ崎の一番の問題は何ですか?」
「何から始めたらよいかアドバイスをください!」
生徒からのインタビューにBENIRINNGOの二人からは、いままでの活動を通じた経験を踏まえたアドバイスがあり、生徒からは「今自分たちが出来ること」を一つずつ取り組んでいきたいとの感想がありました。

後日提出された生徒のアンケート結果
・これからの行動や活動の参考になりましたか     ・・・95%
・BENIRINNGOの活動参加に興味がありますか ・・・52%
興味と共感を得られる講義になっていたと思います。


<第二部/市民活動団体による授業>

初参加5団体を含む16団体が、高校生に直にそれぞれの授業を実施しました。今年の1年生は2学期から探究授業で「SDGsと茅ヶ崎」を学ぶこともあり、ボランティア塾のテーマは「SDGs」になりました。各団体には活動がSDGsの17の目標のどれに関連するのかをあらかじめ提示してもらいました。それぞれの団体の趣向を凝らした授業は高校生にどう共感を呼んだのでしょうか。(以下、団体ごとの報告です。)

 

  • サンチャイ・ネパール ねぱるぱ
    テーマ:ゲームにより世界情勢の擬似体験をし、ネパール支援を紹介しながら国際支援について考える。
    (生徒ふりかえり)
    ・私は貧困の問題に特に興味があり、実際に活動されている方のお話を聞いて、私も将来やりたいなと思うことが明確になった。また行動を起こしている人たちのお話にとても感銘を受けた。
    ・よく世界の経済格差がすごいと言われていたけど、本当にそうなのと思っていたが、ワークショップをやってとても実感できた。
    ・貿易ゲームを通してネパールの抱える問題について知り、小さな村などへの支援が必要だと感じた

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  • 筆記通訳サークル「虹」
    テーマ:聴覚障害を理解し、自分にできる支援を考えよう
    (生徒ふりかえり)
    ・手話だけでなく要約筆記という新しいコミュニケーションツールを知ることが出来て実際に体験できた。
    ・耳が聞こえない人に伝える方法の一つとして文字を書いて伝える方法があるけど、文字は話している言葉ほど早く書けないから要約する必要があると知ったし、もっと障がいのある人が生きやすい環境を作っていきたいなと思った。
    ・もっと聴覚障害の人について考えようと思った。

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  • PuHU~わくわくする健康おせっかい~
    テーマ:「楽しい!嬉しい!」から始まる健康おせっかい
    (生徒ふりかえり)
    ・地域の人を健康にするために普段から気にかけて、元気がなかったら積極的に話しかけるという取り組みがすごいなと思った。
    ・ボッチャはどんな人でも楽しめると言うところに共感した。
    ・考え方によっていろんな人も楽しく健康に過ごせることを知った。

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  • NPO法人 赤ちゃんからのアートフレンドシップ協会
    テーマ:「子どもの健やかな育ちのための活動・保護者への手助け」
    (生徒ふりかえり)
    ・アートでケアをするという発想に興味を持った。心が豊かになるなととても感じた。
    ・アートを通じて子供の成長に繋がるということに興味を感じた。心理学的なことも簡単にまじえながら、子供の心理について学べた。
    ・沢山の子供そしてアートに対する思いがとても強く私も感動した!教師を目指す私にとってためになる授業だった。ありがとうございます。

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  • 遊びでまちづくりする準備室
    テーマ:人の繋がり!友だち同士でハンドトリートメントをやってみよう
    (生徒ふりかえり)
    ・アロマとかに興味があったけど嗅いだことしかなかったけど、とても癒されたし、お話の通り暖かい気持ちになれて、すごく幸せ空間だった。匂いでこんなにもリラックスしたりできることを知り興味を持った。もっと色々な匂いとその匂いの効果を知りたいと思った。
    ・遊びで楽しく街を作っていくという良さを感じられた。
    ・アロマ体験が楽しかった。

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  • 市民劇団オンリーワン
    テーマ:デートDVを朗読で、役になりきって体験しよう
    (生徒ふりかえり)
    ・今まで学校で配られた手紙や貼ってあるポスターなどを見て高校生でDVがおこるカップルなんていないだろうと思っていたけれど、実際の経験を聞いたり朗読、資料を見て暴力だけがDVではないということを知って想像より身近なものだということを知った。
    ・朗読という形でいろいろな人にデートDVのことについて発表しているという考えに興味をもった。
    ・友達がこういったことで悩んでいたらどうしてあげたいかを考えるきっかけになった。

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  • チームみつばち
    テーマ:持続可能なエネルギーについて、福島原発事故や能登地震から考える
    (生徒ふりかえり)
    ・2011年の原発事故の経験からこれからの日本はどうなっていくのか、どう変わっていくべきなのか、とても考えるきっかけになった。また、太陽光などの再生可能エネルギーの活用法などもしれた。
    ・原子力について学び、改めて原爆や原子力事故が恐ろしいものだと気づき、ドイツなどでは原子力発電を廃止しているという話に興味を持てた。
    ・今回は自分にとって原発について考えるとてもいい機会になった。

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  • NPO法人 発達サポートネット バオバブの樹
    テーマ:教室の中にある「不平等」のこと、みんなに知ってほしい!
    (生徒ふりかえり)
    ・自分でもびっくりするほど知らないことがたくさんでもっと知ってみたいという興味をもった。
    ・世の中には少しづつ平等が広がってきているのを実感した。しかしまだ対策がしきれていないものもあったので少しでも発達障害を持った子が生きやすい世の中になればいいなと思う。
    ・クイズを交えた授業だったので分かりやすく理解できた。

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  • ふらっと南湖(南湖ハウス)
    テーマ:子どもと大人、男と女など「違い」について考えてみよう!
    (生徒ふりかえり)
    ・自分が知らない所で困ってる子供が沢山いることを知った。だから少しでも救えるように、保護施設などに会いに行ってる人がいて感心した。
    ・身近でこんな活動してるとこがあると思ってなかった。
    ・こういう場所がもっと増えればいいと思った

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  • 湘南やさしい日本語プロジェクト
    テーマ:やさしい日本語で外国人と話そう~日本でできる国際交流
    (生徒ふりかえり)
    ・外国人と話す時は英語じゃないとダメだと思ってたけど、多くの人が簡単な日本語は分かるみたいなので、日本語で声をかけてもいいと思うと、少し国際交流に興味が持てる
    ・英語が話せなくても、優しく、易しい日本語で話せば外国人と繋がることが出来る、というお話に感心した。日本に住んでいる外国人と話してみたいなあと思った。
    ・やさしい日本語は外国人に対してだけではなく同じ日本人の人に対しても使えて大切な事だと思った。

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  • わんにゃんマルシェ
    テーマ:動物と防災(みんなの命が助かるために)
    (生徒ふりかえり)
    ・犬を飼っているにも関わらず、避難などの知識が全くと言っていいほどなかったので、知識を得るいい機会になった。
    ・ペットと一緒に避難するには準備や計画が大事だなと思った。
    ・もともと動物関係の仕事につきたいと考えていたけれど、犬猫の現状を知って改めて日本ではまだまだたくさんの動物の課題があるのだと知ることができたから。

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  • TAKURAMI不動産
    テーマ:空き家を通して、自分の暮らすまちについて考えよう!
    (生徒ふりかえり)
    ・身近なものに置き換えて考えるという活動を通して地域の課題について考えることができるようになった。
    ・今起きている空き家問題を周りの人達と協力して新しい居場所にしていくことが面白い方法だなと思った。
    ・みんなと話しながらできて楽しく学ぶことができた。

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  • 湘南のきさきフルーツプロジェクト
    テーマ:身近なところから自分プロジェクトを見つけようWS!
    (生徒ふりかえり)
    ・この活動を始めた理由が、人の家の庭をみてフルーツを食べたいと思ったというとても斬新な理由で、自分もなにか出来たらなと思った。
    ・人の繋がりをテーマにしていて、フルーツだけではないということを知り興味が湧いた!!人の繋がりはどこまででも続くと思うからこのような活動が増えてくれたらいいなと思った。
    ・自分のちょっとした好奇心からSDGsにつながる活動になるということを知った。

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  • 防災スイッチオン!プロジェクト
    テーマ:巨大災害で死なない、生き抜く、この地球で生き抜くにはどうする?防災スイッチオン!それぞれやるべきことを考えてみる
    (生徒ふりかえり)
    ・これからの私生活で役に立ちそうな情報が沢山あって興味深かった。
    ・災害が起こっても生き延びられるように大切なことを教えてくれた。
    ・茅ヶ崎や自分が住んでいる街の防災事情を詳しく知ることが出来た。

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  • 平和を考える茅ヶ崎市民の会実行委員会
    テーマ:平和PEASEイベントをプロデュース
    (生徒ふりかえり)
    ・茅ヶ崎の戦争の被害などの話を聞き、原爆や戦争が少し身近に感じた。
    ・平和に関する考えが一層強まった。
    ・平和という大きなテーマについてテーマが大きすぎてあまり具体的に考えることが出来なかったりしたけれど、茅ヶ崎市の中にある展示品や茅ヶ崎市で実際にあったことなどを話してくれて、平和というテーマについ具体的に考えていけるものを教えていただき今後の考えに影響されていくなと感じた。

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  • Familio
    テーマ:20歳が伝える!SDGsで考えるボランティアのススメ
    (生徒ふりかえり)
    ・これまで自分が思ってたよりもSDGs活動はかなり幅広いのだなと思った。
    ・学生でもできるボランティアがあることを知った。
    ・話やすくて楽しく進められたので面白かった。

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<参加団体のふりかえり交流会>
11月23日(土) 参加5団体10名、24日(日) 参加7団体12名

今回はふりかえり交流会の日程希望が分かれてしまい、二日にわけてサポセンにて開催することになりました。

最初にサポートセンターより、高校側との反省会での内容と今年の感想を情報共有させてもらいました。次に各団体より、普段の活動内容とボランティア塾当日の感想などを話伺いました。休憩をはさみ次にグループに分かれて「ワークショップ(授業)を経験しての気づきと感想」「参加団体間における今後の交流について」を話し合いました。いろいろな団体、様々な世代の人同士の交流は、思わぬ気づきがあり、盛り上がりました。「今日参加して良かった」という言葉が何よりも嬉しく思いました。