サポちゃんが行く!

特定非営利活動法人 松の実会 地域活動支援センター みらまーる

特定非営利活動法人 松の実会 地域活動支援センター みらまーる

茅ヶ崎の社会教育・生涯学習の充実を求めて、月1回の例会を催し、社会教育、男女共同参画、平和、まちづくり、福祉などについて話し合い、月刊誌の読書会も行っています。3か月ごとに会報「息吹き」を発行しています。(1976年4月設立、西山正子・丸山理共同代表、正会員45名)

 施設長の羽根さんにお話をうかがいました

地域で安心して過ごせる居場所

 精神に障がいを抱えている人を家族にもった人たちが集まり、1984年に「松の実会」を立ち上げ、その後日中の活動場所として「松の実作業所」を開設しました。1994年に第2作業所として「みらまーる」を東海岸北に開設。2009年にNPO法人資格を取得しNPO法人松の実会となり、「障害者自立支援法」の移行措置に伴い、「地域活動支援センター」として2つに分かれ、海岸地区の「みらまーる」と赤羽根の「パインナッツ」で活動することとなりました。

その後、「みらまーる」が活動している場所を退去しなくてはならなくなり、羽根さんが次なる場所を探していた矢先のこと。施設近くの地主さんから「今建っている建屋を壊してアパートを建てようと思っている」という言葉を聞き、思わず「私たちの活動場所を…!」と嘆願。地主さんの理解を得て、話が進んでいくことになりました。メンバーさんが安心して通えるよう、また昼食作りやクッキー作りのプログラム用にキッチンが2カ所必要で、それを叶えるために内装設計も任せて下さり、2015年に新しい活動場所ができました。現在、メンバーは79人。18~70歳位の方が自分のペースで月曜から金曜、1日平均約15名のメンバーさんたちが通っています。

個性に寄り添った創作プログラムがたくさん

 昼食作りは、その日に来たメンバーさんと料理本や冷蔵庫にあるものを見てメニューを決め、みんなで作ります。時にはメンバーさんが菜の花や筍など季節の食材を持参し、食卓に並ぶこともあるそうです。午後からのプログラムは、クッキー作り・石鹸づくり・手芸・アクセサリー作り・茶道・パソコンなど。興味あるものや得意な工程に参加し、生活の幅を広げる活動が提供されています。訪問した日は、刺し子の日。職員のサポートの元、一刺し一刺し丁寧に作業されていました。このように心を込めて作った作品は、梅まつり(高砂緑地)など地域のイベントやバザー(ふれあいの集い、梅まつり、共生社会フェス、つながりフェスなど)で販売されています。

他に、月1回茅ケ崎市役所前広場やカフェドットコム(市役所内カフェ)、ゆめたい(若松町)、鈴木米店(南湖)等、でも販売され、売上から工賃としてメンバーさんへ還元されます。バザーや作品展ではメンバーさんが売り子として頑張ってくれています。

メンバーさんたちが作る作品は既製品にはない味わいがあるものばかり。販売される場が広がると共に支援の輪も広がっています。特にクッキーは、自治会の総会や敬老の日の手土産として、他団体のイベントでの販売や個人注文もあり美味しいと評判です。手作り石鹸も人気。食用廃油を市内数カ所の市立保育園や店舗から好意で提供され、水と苛性ソーダを混ぜて型に流し固め約3ヶ月待つと自然環境に優しい石鹸に生まれ変わります。時には廃油を提供してくださる店舗に行き、顔を合わせて理解を深め合っているそうです。~石鹸はサポセンの給湯室でも愛用中♡~

 

 

大切なのは信頼関係

 以前通っていたメンバーさんも遊びに来ておしゃべりしたり、時にはプライベートの相談もあるそうです。必要とする人にとって安心・信頼できる場が「みらまーる」。そして、困っている人に寄り添い、コミュニケーションの積み重ねにより築いた信頼関係を大切に日々活動されています。

今後に向けては、「地域にこのように安心して過ごせる居場所があることをもっと知ってほしい。障がい者を支援する地域の会議などへの参加や民生委員との連携により地道に存在を伝えていきたい。また、バザーなどで最初の一歩=優しいアプローチもしていきたい」と、誰ひとり取り残さない社会の実現への思いを語ってくださいました。

今年も「ユースボランティア茅ヶ崎」の体験先です。参加した学生たちからは「初めてでも優しく迎え入れてくれた」「楽しくお喋りができた」などの感想が多く寄せられています。メンバーさんたちも学生たちとの交流を楽しみにしてくださっているとのこと♪

学生たちの受入れ、よろしくお願いします。