サポちゃんが行く!

特定非営利活動法人 ちがさき学童保育の会

特定非営利活動法人 ちがさき学童保育の会

保育が必要な小学校児童の豊かで安全な生活の場を築き、児童の心身ともに健やかな発達を援助する事により、
健全で豊かな地域社会の確立を図ることを目的に活動しています。(設立 2004 年 10 月、正会員 11 名)

《副理事長の宗助さん、理事の武部さんにお話を伺いました》

今、必要とされている居場所づくり

「私たちは、未来へはばたく子どもたちと共に、ほっとできるみんなのおうちをつくります」

市立図書館に隣接する、法人の事務所があるNTT東日本茅ヶ崎ビル。入口ドアが開くと同時に正面壁に掲げられた法人の理念が目に飛び込んできます。

その日は、6月にプレオープンした不登校の子ども(小学生~高校生)とその保護者のためのフリースペース「みんなの寺子屋&相談会」の開催日。普段は職員研修やサマースクールの会場等に活用されているプレイルームを訪れると、5組ほどの子どもと大人たちが一緒にボードゲームやお絵描き、卓球などで遊んだりおしゃべりしたりしながら楽しく賑やかに過ごしていました。

学校に行きづらかったり集団生活に馴染めなかったりする子どもたちの平日日中の居場所をつくりたいと立ち上げた事業とのことですが、単発ではなく継続する事業として取り組むべく、9月からの本格稼働を目指して民間助成金も申請中。運営には、市北部の里山地域を中心に活動している市民活動団体「わわわのわ」も協力しており、地域や市内の様々な団体とも連携して、広報や運営の準備を進めているそうです。

保護者の想いをかたちに
 
法人設立のきっかけは、学区ごとに保護者が運営していた児童クラブを一元化する事で、市内の児童クラブの運営及び保育内容の充実と指導員の安定雇用を可能にすること。当初は、各地区の児童クラブ保護者代表からなる組織でしたが、現在、組織運営や事業企画を主に担っているのは元保護者でもある元職員や、元教員など専門性も併せ持った理事メンバー。子どもと過ごすことが大好きな職員あわせて約90名が一丸となって、設立時の想いをしっかりと引継ぎながら、時代の変化や社会のニーズを捉えて、子どもファースト、保護者ファーストで、子どもたちが安心安全に過ごせる居場所づくりに力を注いでいます。

事業の柱は、放課後児童健全育成事業としての公設の児童クラブ(学童保育所)・民設のクラブ「晴れハレ」の運営です。「大人の見守りは最大限、手助けは最小限」で子どもたち主体の運営を心がけています。その他、長期休暇対策事業として小学3年生以上が対象のスプリングスクール・サマースクール・ウィンタースクールの実施、幼児〜小学生を対象とした自習型の個別指導教室の運営、生きる力を育む様々な体験型学習プログラムの提供なども行っています。

(今年も「ユースボランティア茅ヶ崎」の体験先として、高校生以上の学生受入にご協力いただいています!)

地域みんなで子どもを育てる

この20年で子どもや保護者を取り巻く環境も随分変化しています。始めた頃は児童クラブの定員も少なく、1年生から6年生まで異年齢の縦のつながりが出来、アットホームな雰囲気で皆が過ごすことができていたそうです。現在は、共働き家庭の増加やコロナ禍以降、子育て世代の移住者が増えたこともあり、希望者が多く、受入れられるのは主に1年生と2年生。待機児童が比較的多い学区においては民設クラブの施設所有者や市と協議して定員数を増やすなどの対策をとってきましたが、全体的な待機解消には至っていないとのことでした。そして低学年からお稽古ごとが多いのも今の特徴だそうです。子どもたちには放課後ゆったりと過ごしてほしいと願いつつも、ひとりひとり分刻みのスケジュールを連絡用アプリで確認しながら丁寧に対応しているとのお話には頭が下がる思いです。

様々な課題解決に向けて、法人が大切にしているのは地域とのつながり、地域の力。「こどもまんなか社会」の実現を目指して保護者・地域・市民活動団体・行政・学校・関連機関等が、それぞれ培ってきた専門性やネットワークを活かして連携を深めていくことが求められており、その必要性を熱く語るお二人に圧倒されました。議論の過程では、豊富な知見を持つ法人が中心的な役割を担ってくださると確信しています。

学校に行かずに過ごす子どもたちと家族のための茅ヶ崎駅前のフリースペース「みんなの寺子屋」

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