サポちゃんが行く!

茅ヶ崎寒川地区自閉症児・者親の会(茅ヶ崎・寒川やまびこ)

身体的な特徴がなく一見「普通に見える」という障がいが「発達障がい」です。その代表的なものが「自閉症」、今は「自閉症スペクトラム(ASD)」と言います。茅ヶ崎市・寒川町に住む自閉症児・者とその家族、支援者が集い、お互いの親睦を深め情報交換を行い、自閉症への理解促進のために様々な活動を展開しています。

《代表の上杉さんにお話をうかがいました》

20年前に活動を再開

1981年国際障害者年を契機に設立された団体の名称を引き継ぎ、現会長の上杉さんが、お子さんが通っていた通園施設の保護者の方々と共に、2001年4月に活動を再開しました。今では県内に計11地区の親の会があり、その親の会を中心に神奈川県自閉症協会が組織されています。現在では正会員49名、賛助会員11名と、県下でも2番目に会員の多い団体となりました。

活動内容は、総会、月1回の定例会をはじめ、年間を通じて勉強会や講演会の開催、施設見学、福祉バス利用のレクリエーション、会報の発行、作品展、バザーへの参加など。大きな啓発活動として、2007年に国連で採択された4月2日の世界自閉症啓発デーを中心に、イメージカラーであるブルーライトアップの推進や茅ヶ崎駅・寒川駅等での街頭啓発を行っています。

県内では今までに、神奈川県庁舎や江の島シーキャンドルなどが青くライトアップされましたが、ぜひ、茅ヶ崎・寒川でもライトアップにご協力くださる場所があれば!とのことでした。


自閉症ってどういう人?

①独特のコミュニケーション。目を合わさず一方的に話したり、会話にならなかったり、言葉の意味が通常の意味と違う場合があります。その人のコミュニケーションのパターンを知り、それに合わせて肯定的な受け答えをしていくようにします。

②社会性の障がい。普通言わなくても分かることが分かりません。「空気を読めない」障がいです。常識的なことでも、絵や写真、スケジュール表などで、具体的にその場のルールを伝えていくようにします。

③想像力の狭さ(こだわり)。同じ物を並べたり、窓やドアの開閉などにこだわる人がいます。想像して応用することが苦手で、同じ物やいつもの場所でないと安心できないことがあります。

④感覚過敏。聴く・見る・触る(触られる)・匂いなどに敏感さや鈍磨がある場合があります。子どもの声や刺激的な場所、洋服の肌触りや髪の匂いなどに、過剰に反応する場合があります。

本人の努力では解決できないことも多く、理解して見守っていただけるようお願いします。アメリカの有名な教育番組「セサミストリート」では、自閉症のキャラクター「ジュリア」が登場しますが、周囲はジュリアスタイルとして受け入れ、友だちと楽しく過ごしている様子がうかがえます。


地域で安心して暮らしたい

団体にとっての根本的な懸案・課題は、自閉症の方々が安心して暮らすことのできる住まいや通所施設・就労先が地域社会に整っていくことです。特に、大人になった方々が親亡き後も暮らしていける住まい方として、以前は入所施設という大集団での生活が一般的でしたが、今は少人数で暮らせるグループホームという形態もあり、さらに一人暮らし、シェアハウス、引き続き自宅で暮らすなど選択肢も増えてきました。ただ、現実としては将来の生活にめどが立たない会員が大半であり、毎年市役所へさらに行政施策を進めてほしい旨の要望活動も行っています。

 「近年は若い世代の親御さんが入会され、自主的に研修会に参加するなど、意欲的な姿勢を頼もしく感じています。今後も団体としてのパワーを落とすことなく、会員にとって役立つ情報が入手でき、落ち着ける、安心できる、魅力的な団体づくりに腐心していきたいと思います。一般社会への理解を深めていくには、他の障がい者団体等と連携していくことも大事にしています。障がいの有無にかかわらず、インクルーシブな地域社会の実現に向けて引き続き取り組んでいきます」と力強く語っていただきました。