ヒロシマを語る会-神奈川
1995年設立。ヒロシマ、ナガサキ、第5福竜丸、フクシマの原発事故。「核」の被害を被爆者の手記等の朗読を通して伝えていく活動を行っています。
《代表の宇都さんにお話を伺いました》
公民館の講座に参加したことから
子育て中に、自身の父親が書いた戦争体験の記録を読み、戦争は嫌だ!という思いを強くしました。子どもたちには戦争を体験させたくない思いでした。また孤独で大人と話がしたい、子どもにも仲間が欲しいと思っていたところに、子育てと自分の生き方を考える小和田公民館の自主保育付き講座がありました。申込みを躊躇していると「参加を決めるのはあなたですよ」と言われ受講したことから、公民館で多くの出会いがありました。その一つ、満州からの引き揚げ体験を「茅ヶ崎朗読の会」で群読し各地を公演。この時期、原爆の作品にも目が向き、特に山口勇子著で沼田燿一さん語りの「おこりじぞう」に衝撃を受け、朗読してみたいと思ったのです。そんな時お声掛けがあり、原爆の手記などを公民館や学校で読むようになりました。25年くらい前のことです。
人から人へ、人とのつながり
その後広島の原爆の手記を朗読する自主公演を始めました。亀沢深雪さんの「広島巡礼」、「広島第二県女二年西組」も読み、そのご縁で「広島の人より広島に詳しい」と言われる竹内良夫さんと出会いました。竹内さんは多くの
広島、長崎の被爆者の方をご紹介くださり、原爆に関わる諸所をご案内いただきました。今年の8月もご一
緒し、広島の街を歩くと、原爆の「手記」の人々…この橋であの人は亡くなられていた、行方不明の杜夫君はどこに、等と想いました。今では広島に多くの友人もでき、其々が核廃絶や「原爆文学を世界遺産に」等活動しているので刺激になり、エネルギーをもらいます。
細く長く続けていきたい
毎年高校生に活動を伝えて感じるのは、若者は原爆を知らな過ぎること。これは私たち大人の責任。歴史を伝えるのは大変重要です。12月8日の自主公演では、峠三吉「原爆詩集」を取り上げます。アメリカから原爆に関し厳しい言論統制が敷かれ、原爆の悲惨さを伝えるため命がけで作った作品です。その時代背景を知ると詩の奥行きが違ってくると思います。不器用で読むのに時間がかかります。手記に書かれた被爆者がご存命ならお会いしに行き、辿った道を歩いたり、逃げ込んだ防空壕を訪れたりします。
広島とは無関係で戦争体験もない私が読んで何になる…長いトンネルに入り込んで…。でも8月に広島で関さんや竹内さん、そして広島の高校生、友人に力をもらいまた続けようという気持ちになりました。それから茅ヶ崎で被爆体験をお話されている樫村さんにも支えていただきました。振り返ると多くの方の出会いと支えで続けてこられたのだと感謝しています。
子どもの頃は嫌だったという素敵な低音。信念を滲ませながらも朗読とは違う、柔和なまなざしでお話しくださいました。