にじ色のたねを育てる会
2017年4月発足、会員10名。「多様性を認め合い、人権を尊重できる、様々な人が生きやすい社会の実現」に向けて、映画上映会や学習会を企画し、情報共有することを目的に活動しています。
《代表の信濃さんにお話をうかがいました》
地元上映への一歩
都内で勤務し、その後茨城に移り住みましたが、3.11をきっかけに地元の茅ヶ崎に戻りました。それを機に地元に軸足を置こう!と市民活動をしています。ライフワークの中心であるLGBTやセクシャリティ、ジェンダーをテーマにした映画を数多く観ていくうちに、周囲の理解を広げたいと思い、地元湘南地域でも上映しようと考えるようになりました。
2016年に初の上映会として、同性婚をめぐり裁判で争うアメリカのドキュメンタリーを茅ヶ崎で上映しました。観に来てくれた人は30人ほどでしたが、13人もの人が手伝ってくれて嬉しかったです。手伝ってくれたある団体の方から「どんなにいい企画でも人に来てもらわないと意味がない」「個人で開催するのは上映施設や機材を借りるのが難しいから団体を立ち上げた方がよい」などと背中を押され、団体として活動することを決意しました。
強い横のつながり
上映会は、今までに4回行いました。上映作品のピックアップから配給会社との交渉、場所や機材の確保などメンバーで手分けしています。映画を観るのが趣味で、その中でも社会問題の作品が多く、それが活動にも活かせています。団体を立ち上げて最初の上映作品は、同性カップルのもと育っている子どもたちの話でした。茅ケ崎市の後援もいただき、市役所のコミュニティホールで上映し約100人が観に来てくれました。当事者が観に来てくれたこと、市民活動で知り合った人が団体メンバーに加わり、今も変わらず共に活動してくれる、このようなつながりが原動力となっています。まだまだLGBTを言い出せず隠している人たちはたくさんいますが、Twitterで上映会について若い世代が呟いてくれているのを後で知り、頼もしく感じました。
「パートナーシップ宣誓制度」導入
2015年に渋谷区と世田谷区が日本で初めて同性カップルや事実婚カップルを結婚に準じる関係と認めるパートナー証明制度を開始し、以降各自治体にも導入が広がりました。知人から「茅ヶ崎は導入しないの?」などと声をかけられたり、ネットで意見交換する場に参加していくうちに、地元で活動しようと決めた以上やろう!と行動に移しました。協力してくれる人々もいて、2018年「LGBTをはじめ性的少数者に対する包括的な施策の推進に関する陳情」を市議会へ提出し採択されました。他の市民団体とのつながりの中で議会の傍聴経験はあり、制度化されるまでの流れもイメージできました。市とのやり取りに3年を要しましたが、茅ヶ崎市でもこの4月から制度が導入されます。団体として導入に貢献できたのではと思っています。
今後は、「制度の経過を見守りつつ、理解を深めるために上映会や勉強会の開催を
したい。違いを認め合い多くの人が生きたい道を選べる社会に近づくために
活動していきたい」と、未来への想いを語ってくださいました。