【開催報告】10/27(日) SDGsカフェ10「地球環境とわたしたちのくらし」~グローカルな3つの視点から考える(地球の有限性/自然の価値/世代間倫理)
日 時:2024年10月27日(日) 14:00~16:00
会 場:ちがさき市民活動サポートセンター(茅ヶ崎市茅ヶ崎3-2-7)
参加者:14名
ゲストスピーカー:鳥羽瀬 孝臣さん(東京理科大学非常勤講師)
プログラム:
●~初めに~
●東京理科大学非常勤講師 鳥羽瀬 孝臣さんのお話 & 質疑応答
●グループ交流会
-特に興味を引いたテーマと共感した理由は何ですか
-これからの活動に参考になった考え方はありましたか
●東京理科大学非常勤講師 鳥羽瀬 孝臣さん コメント
●~終わりに~
<東京理科大学非常勤講師 鳥羽瀬 孝臣さんのお話>
2021年にスタートしたSDGsカフェは今回で10回目を迎え、今回は「環境倫理」という気候変動や生物多様性など地球規模の問題をグローカル(Think Globally ,Act Locally)地球規模で考え、地域で行動する)な3つの視点(地球の有限性/自然価値/世代間倫理)から学び自分ゴトとして捉えようとする最近の話題に即した新しいテーマに挑戦しました。ゲストスピーカには茅ヶ崎商工会議所で開催されている CHIGA ECO TALKでも活躍されており東京理科大学非常勤講師と地元の電源開発(株)茅ヶ崎研究所に籍を置く鳥羽瀬孝臣さんをお迎えいたしました。
大学の講義や企業相手の講演とは少し異なる市民活動サポートセンターでの開催でしたが、鳥羽瀬さんの親しみやすい口調と分かりやすい説明は参加者の共感を得たように思います。
環境倫理~自然と人間との関係を問い直す~のプレゼン資料は42 ページに及ぶ通常講義の抜粋をしたものですが約40分の講演時間を意識して頂き 数字やデータはより精密に且つポイントにはご自身の経験や実績を織り交ぜての興味を引かせる分かりやすいお話にして頂いたようです。
<東京理科大学非常勤講師 鳥羽瀬 孝臣さんのお話(要約)>
講義内容は「科学技術と倫理」となりました。
・一つ目の課題「自然の価値」 自然に対する意識/自然と人間の関係/自然に対する意識/自然を大切にする理由/保護のかたち/土地倫理/自然と人間/生態系サービス
・二つ目の課題「地球の有限性」 人間活動は地球環境に負荷をかけている/エコロジカル・フットプリント/土地利用による森林と農地とのトレードオフ/食料危機に対処できるか/共有地の悲劇/「放流で魚が減る」波紋 自然の幸、すみかの保全こそ
・三つ目の課題「世代間倫理」 将来世代はより気温の高い未来を経験する/気候正義/気候不安に関する意識調査/気候変動に関する世論調査/未来世代のために今を生きる我々は何をすべきか/行動変容/CHIGA ECO TALK紹介/Think Globally/バックキャスティング/ネイチャーポジティブ経済移行戦略
・四つ目の課題「持続可能な開発・発展」 SDGs/SDGsまでの道のり/日本政府のSDGsへの取り組み/企業のSDGsへの理解と取り組み/SDGsに積極的な企業割合/SDGs17目標のうち、力を入れている項目/SDGs取り組みによる効果
以上多岐にわたる内容でした。
<質疑応答>
Q1.環境や気候変動を語るときは人類全体の責任にするのではなく、先進国がもっとも破壊していることを明確にする必要があるのではないか。何となく全体の話にしてしまうと趣旨がぼけてしまうし責任を明確にしないと対応の仕方が分からなくなってしまう
Q2. IT関連の情報セキュリティーの会社に勤めているが中小企業の情報関連の会社でも環境面で取り組む課題はありませんか
Q3. イノベーションへの期待は技術革新が出来なかった時のダメージが大きすぎるため過度の期待はすべきではない。着実な方法を取るべきだと思う。
といった熱い質疑が行われました。常日頃から環境に興味を寄せている参加者が多かったせいか「情報がたっぷりで非常に面白かった」「もう少し時間を取ってほしかった」との声も頂きました。
<グループ交流会>
行政/企業/NPOと様々な分野の方々が4グループ(4~5人/グループ)に分かれていただき、○自己紹介○テーマディスカッションで「特に興味を引いたテーマと共感した理由は何ですか」「これからの活動に参考になった考え方はありませんか」と「感想の共有(グループ発表) 」を実施しました。
常日頃から環境問題に携わっている方や興味を抱いて参加されている方が多く、予定時刻を過ぎても熱い意見交換がなされていました。
意見を抜粋しますと
「環境という共通の関心を持つ人が多くいることが嬉しかった」
「市内の環境への取り組みを真剣に考えていることが共有できた」
「同日が総選挙投票日となってしまい行政の方の参加が少なかったのが残念」
「グループ内意見交換は有意義で楽しかった」
「様々な環境活動に取り組まれていることに刺激を貰えた」
「授業とは別の視点から環境について考えている方と話ができ新しい勉強になった」
と言ったご意見をいただきグループ交流でも新しい刺激と発見があった発表内容だったと思います。その後、ゲストスピーカの鳥羽瀬さんからは皆さまからの貴重な意見への御礼と資料を再度使われての補足説明をいただきました。
【終わりに】
閉会にあたり(サポちが)益永からは充実した公演内容へのお礼と環境問題をもう少し前から身近な問題としてとらえておきたかったとの言葉をいただきました。
(サポセン)としては、SDGsカフェに環境問題をテーマに持ってきたチャレンジングな第10回となりましたが、熱い意見交換と新しい交流が生まれた場になったと思います。
SDGsカフェは、「誰一人取り残さない」社会の実現をめざして、SDGsに関わる具体的な活動実践について学びながら参加者同士の顔の見える関係を築くきっかけづくりの場です。