【開催報告】「地域の居場所づくり交流会Ⅱ~ きく、あじわう、つながる」
日 時: 11月18日(土)14:00 ~16:40
場 所: ちがさき市民活動サポートセンター
ゲスト: 真鍋敦さん(横浜市今宿地域ケアプラザ地域交流コーディネーター)
菅野弘道さん(コーヒーボランティア「ペリゴール」代表)
参加者: 32名
第一部 講義「人が集まる場づくりのコツ」「コーヒーボランティアの魅力
昨年10月に開催した交流会では、NPO 法人れんげ舎の長田英史さんから居場所を作るうえで大切な事は何かを学ぶとともに、市内で活動する3つの団体から始め方や続けるコツについてお話を伺い、参加者同士意見交換を行いました。終了後の「作りたいよね、居場所。でも、手段が分からない」という声に応え、今回は、「くつろぎカフェ・音楽喫茶」の仕掛け人、横浜市今宿地域ケアプラザの真鍋敦さんを講師に迎え、“人が集まる場づくり”のコツについてお話を伺いました。
♣男性利用者を増やすための新しい仕掛け
地域交流コーディネーターとして着任早々、真鍋さんは、地域特性を把握するため『横浜市旭区高齢者実態調査・報告Ⅱ』に目を通し、これまで地域ケアプラザに足を運んだことがない男性の来館者を増やすための新しい仕掛けが必要だと感じました。早速参考事例(☆)となる場所を見学して検討した結果、男性利用者を増やすには、心地よい音楽を聴きながら(アナログレコード鑑賞)、ゆっくり本格的コーヒーを楽しむ「くつろぎ空間」をつくるのがベストという結論に落ち着いたと言います。
♣みんなの協力で「くつろぎカフェ」がスタート
地域の回覧でチラシを配布し、1950年代から80年代のレコードとステレオセットの寄付を呼び掛けたところ、すぐに600枚以上のLPレコードとステレオセット数台が集まりました。さらに、喫茶店のマスターを講師とするサイフォンコーヒーの淹れ方講座を開催してコーヒーボランティアを養成し、2012年に第1回「くつろぎカフェ」がスタート。毎月1回開催される「くつろぎカフェ」には毎回60~70代を中心に60人ほどが参加し、参加者の3~4割は男性だそうです。
♣「事業を企画する際には、地域特性をきちんと把握することが重要」
こうして、「今宿地域ケアプラザに足を運ぶ男性高齢者を増やす」という当初の目論見は見事に成功。「アナログレコードの鑑賞とサイフォンを使った本格コーヒーという組み合わせが、この地域の特性に合致していたのでしょう。他の場所で同じ事業を実施しても成功するとは限りません」と成功の秘訣を教えてくださいました。
スタートから約1年が経過したある日、地域の人から「このカフェを地域で開けないか」との相談を受けことがきっかけで、地元の自治会館でも同様の試みが始まりました。
自治会館で開催されるカフェには、コーヒー講座の修了生が結成したコーヒーボランティア「ペリゴール」がサイフォンコーヒーを出前する流れができています。
♣コーヒーボランティア「ペリゴール」
真鍋さんに続き、「ペリゴール」代表の菅野さんからは、コーヒーボランティアの活動についてお話を伺いました。「ボランティアをしていてうれしいことは、『コーヒー美味しかった』と言ってもらった時」だそうです。
今年3月には、NHK・Eテレの「団塊スタイル」という番組に登場するなど、メディアへの露出が増え、最近は、コーヒーの淹れ方講座の講師をして欲しいとの要請もあるとのこと。当初13名で始まったコーヒー隊は今では25名に増え、コーヒーの品質向上を目的とした自主研修も開いているそうです。
第二部 「ワールド・カフェ」
「ペリゴール」の皆さんに淹れていただいたサイフォンコーヒーを飲みながら、3つのテーマを軸にテーブルごとに5~6人に分かれて話し合いました。
♣テーマ20分、最後に全員でグループごとの意見を共有
①「今日のレクチャーで“印象に残ったこと“を共有しましょう」
②「どのような居場所を作りたいか?」
③「今まで出てきたアイディアを共有しながら、居場所づくりを実現するためにできることは?」1つのテーマが終わるごとに参加者は席をシャッフルされ新しいテーブルに移動するので、テーマに入る前に簡単に自己紹介をします。
2回目3回目のテーマともなると、自己紹介も慣れ、対話もすっかりなごんで(きっとコーヒーのおかげもあるのでしょう)、決められたテーマからさらに進んだ話題を提供してくださる方や、すでに居場所をしている参加者からちょっとしたエピソードが出てきたり、また、抱えている問題についての相談事も口にする方もいらっしゃり、時間はあっという間に過ぎていきました。
♣ ボサノバのBGMとコーヒーの香りに包まれて
ワールド・カフェの最中も「ペリゴール」の皆さんがコーヒーのおかわりに回ってくださり、まるで本当の『カフェ』にいるようなオープンで楽しい雰囲気の中、居場所に関するアイデアを交換したり、自身の経験などを話し合いました。
今回の「居場所づくり交流会Ⅱ」をきっかけに、人と人のネットワークが広がり、将来、茅ヶ崎らしい新しい居場所がオープンすることを願っています。