【開催報告】「地域の居場所づくり交流会Ⅳ@茅ヶ崎」

居場所づくりのポイントが見えてくる!
地域の居場所づくり交流会Ⅳ@茅ヶ崎 開催報告

今年一番の寒さの中、今年度も居場所づくり交流会が開催されました。天気予報では雪やみぞれでしたが、サポセンに集まった皆さんからは、たくさんの元気になる話が出て寒さも吹き飛び、新しい出会いや、楽しく温かい交流の場となりました。

▶開催日時
2020年1月18日(土)14:00 ~ 17:15

▶会  場
ちがさき市民活動サポートセンター フリースペース大

▶参 加 者
40名

▶プログラム
事例発表:森下晋さん・神谷マミさん:みんなの居場所
     竹内あき子さん:(特非)ワーコレたんぽぽひろば
     山本雅子さん:南湖みんなでやんべぇよ会・和輪話(若林酒店)
講  演:<講師>西川正さん:(特非)ハンズオン埼玉常務理事

 

第一部 <事例発表>

♠森下晋さん・神谷マミさん(みんなの居場所)

神谷マミさん

森下晋さん

鶴が台名店街にもう一度人を呼び戻したいと発足された「鶴が台みんなの居場所」。カフェグランマをお借りして月に1度食堂を開き、月替わりのカレーをみんなで食べます。特徴は食べにくる人もお手伝いを買って出てくれる参加型であること。食べにくるだけでなく、ボランティアとしても主体的に参加し、盛り上げます。

そしてここで出会った4人のママが、子育て中の孤立を減らそうと「GENKIプロジェクト」を立ち上げました。半年に1度の子ども用品のリユース会や、多世代が交流できるフェスティバルなど様々なイベントを開くなど、地域の活性化にも一翼を担っています。

森下さんは「これからも人と人を結びつけ、子どもが一年一年成長するのと同じように、『みんなの居場所』も未来に向けて成長し、地域のニーズを感じとりながら変化していきます。」と締めくくりました。

 

♦竹内あき子さん((特非)ワーコレたんぽぽひろば)

竹内あき子さん

香川にある昔ながらの古い一軒家を借りて、毎週月曜・木曜開催のフリースペースのほか、小学生のための居場所「ぽぽ」や、学校を休みがちな子どもをもつ親などのためのカフェ「たんぽぽカフェ」を開催(それぞれ月1回)。また、平日昼間には、理由を問わず未就学児のあずかりをしています。

さらに、地域で働く方を招いて、子どもたちにお仕事の話をしてもらう「お仕事紹介のコーナー」や、ママたちに嬉しいエステ体験、ワークショップなど、イベントが盛りだくさん。

「たんぽぽハウス」を通して、若い世代のボランティアにも参加してもらうなど、異世代交流も始まりました。竹内さんは最後に「これからは新たな取り組みとして、高齢者に来ていただきやすい場づくりを目指していきます。」との発言がありました。

 

 

♥山本雅子さん(南湖みんなでやんべぇよ会・和輪話(若林酒店))

山本雅子さん

南湖は老人の多い地域。酒屋のお店の空いているスペースに、イスとテーブルを置いたらみんなが集まってきた!これが「和輪話」の始まりです。来る人たちが、自宅に眠っている着物や浴衣など、どうしたらいいかと相談しあったところから、「では自分たちで服にリメイクして、生かしましょう!」と、みんなが自由に参加できる場ができました。

会の名前「和輪話」は、着物・浴衣を着る機会を増やしながら、日本の文化をひろめ(和)、捨てないで生かす環境にやさしい暮らし(輪)を目指し、みんなでおしゃべりしながら楽しむ町づくり(話)から、命名されました。

現在はワンピースやブラウスはもちろん、「合財袋(ガッサイブクロ・仮称)」として、お財布も手帳もカードもケータイも一切合財が入る袋をつくろうと思案中。ユニークでかわいらしい袋が出来上がるのが楽しみです。

山本さんは「これからももっともっと、お年寄りが活躍できる居場所、地域を盛り上げる居場所を目指します」とのことでした。

 

 

<講 演> 講師:西川正さん((特非)ハンズオン埼玉常務理事)

西川正さん

「人がつながり動き出すのは、どんな時? どんな場所?」をテーマに、「遊ぶ」と「学ぶ」の「場づくり」の方法を長年探求し続けている西川正さん。「理髪店と、まとまった話が大の苦手」との話から始まった講演ですが、参加者の心は、あっという間に西川さんの遊び心と興味深い体験談の渦の中に引き込まれていきました。

育児などのサービス産業化・制度化が進み、人のつながりが生まれにくい、いわゆる「お客様時代」という現代をご機嫌に生きる心のありようとして、「遊び(ひま、隙間、間柄)」を持つことが大切と語る西川さん。「遊び」は結果がどうなるかわからないからドキドキするし、面白い。そして、結果がわからないから面白いのは、「市民活動」も「まちづくり」も同じ、とのことでした。

「現代社会は、家族だけで子育てする『子育ての孤立化』という人類史上初の異常な状態になっている。そうした状態を脱するには、暮らし方・ライフスタイルを変える必要がある」とし、その実践例として、(1)路上・公園・広場のイベント(屋外こたつ、ベーゴマ回し、巨大オセロ、巨大将棋、書道、七輪、ダンボールあそび、焼き芋、たき火)、(2)地域の普通の大人と子どもが出会う場づくり(大人と中学生のトークフォークダンス「大人としゃべり場」など)、興味深い試みを多数紹介してくれました。

西川さんのお話が進むにつれ、会場がとても温かい空気に包まれ、あっという間に終りの時間がきてしまいました。市内で居場所を運営している実践者同士の出会いから、新しい居場所が地域に増える予感がした講演でした。

※「遊ぶ」と「学ぶ」の「場づくり」の詳細は、西川さんの著書「あそびの生まれる場所―「お客様」時代の公共マネジメント」で紹介されています。

 

第二部 <グループワーク>

ふたつのテーマで、ワールドカフェ
最後は6つのグループに分かれてワールドカフェを行いました。テーマはふたつ。ひとつのテーマごとにテーブルはシャッフルされ、話し合いをします。

 ①「事例発表・講義を聴いて感じた、居場所づくりのコツ、大切なポイントとは?」

 ②「今後取り組みたいことは何ですか?また、居場所づくりに向けて明日から何をしますか?」

ふたつ目のテーマ終了後はグループごとに一言ずつ発表。「今あるものを変えていくことも大切だが、新しいものを作りあげていきたい!」「最後はアナログ!人と人とのつながりが大事ですね」「茅ヶ崎を世界一の街にする!」など、活気のあるユニークな内容がたくさん集まりました。

 

 

 

 


<アンケート>

・茅ヶ崎にこんな居場所があったのかと発見でした(市内の事例を聞いて)
・自分にも何かができそう!という考えが持てました(西川さんの講演を聞いて)
・様々な属性、所属の方がいて、(ワールドカフェでの)自己紹介だけでも面白かった。もっと時間があればさらに話を深められて良かったかなと思いました(ワールドカフェ)

今回の地域の居場所づくり交流会Ⅳをきっかけに、新しい居場所が誕生することを願っています。