【開催報告】「おばあちゃんの精進ごはん」に学ぶ 迷わない生き方

日 時:10月28日(土)10:00~12:00
場 所:RIVENDEL(茅ヶ崎市矢畑183)
ゲスト:園部曉美さん 中園五月さん(精進料理iori)
参加者:29名

今回のオトナのよるカフェ4は、サポートセンターを飛び出し市内矢畑にあるコミュニティ農園「RIVENDEL」で開催しました。自然いっぱいの癒しの空間です。この場所で月に4~5回精進料理を教えているioriのお二人、園部曉美さんと中園五月さんをゲストにお迎えしお話を伺いました。

精進生活で身も心も楽に!

この日は朝8時から30人分のミニ精進弁当を手際よく作るご姉妹。精進料理を作り始めて20年、今では毎日が当たり前のように精進生活を送っていらっしゃいます。

精進料理を始めるキッカケ

五月さんは、お友達が精進料理を教えてくれたことがはじまり。それまで何か不安でもやもやしていた毎日に明かりがさす感があったとか。妹の五月さんから勧められた曉美さんは、元々野菜中心の食生活だったこと、以前から、動物を食べることに違和感をもっていたこともあり、無理なく1年間精進料理を続けてみて自分の中ですっきりとするものがあったそうです。 

精進料理って何?

  • 殺生しない(動物性のものでも無精卵、牛乳、チーズなど命を奪わないものはいただく)
  • 五葷(ニラ、ネギ、ニンニク、アサツキ、らっきょう)をいただかない
    理由:五臓と五葷は繋がっている。五葷を食すると臓器を痛めるため。
  • お酒は飲まない、使わない。みりんも使わない。

精進生活とは?

  • もっとも大切な事は殺生しない、蚊も殺せないというお話にみんなびっくり!
  • 革製品のものは使わない。着るものは木綿や麻。
  • お化粧はしない。化粧品代はゼロ!洗顔のみなのに、つややかなお肌
  • 人を責めない、否定しない、無視しない、みんなで仲良くする。等々

精進生活を続けているうちに徐々に「人を信じることができるようになった」「争いごとが少なくなった」そして「中庸な精神が身も心も楽にしてくれた」と語られました。精進生活って幅広く衣食住、ものの考え方すべてに繋がっているんですね。

簡単! 美味しい! 楽しい!がモットー! 精進弁当を味わいながらみんなでトーク! 

今回のメニューはニンジン、カボチャ、さつまいも、大根など秋の野菜と車麩の素揚げ丼。素揚げで油が跳ねないコツやタレ(なんと、醤油と砂糖と片栗粉のみ!)の作り方を教えていただきました。彩りある、見るからに美味しそう、しかも簡単!野菜はできれば地元のもの、オーガニックにはこだわらないそうです。そのかわり調味料でいいものを使うと熱弁。だからシンプルでも美味しいのですね。食べ物があると話も弾み笑顔が生まれます。参加者同士の情報交換も弾み和やかな雰囲気でした。

レシピ本「おばあちゃんの精進ごはん」

2015年に初となる、精進料理を紹介した書籍「おばあちゃんの精進ごはん」が全国発売。また英語翻訳されて世界60か国以上に電子書籍として配信されました。2016年には「おばあちゃんの精進ごはん その2」を出版、多くのメディアに登場し一躍時の人に!また海外からもオファーが来るようになったとか。現在TVK「猫のひたいほどワイド」に月1~2回出演中で若い世代にも精進料理が広がっているようです。

以前お姉さんの曉美さんが「60歳過ぎてこんなに楽しいことが待っていたなんて・・・」とおっしゃった言葉にワクワクしたことを覚えています。六十の手習いという諺がありますが人生100歳時代に到来した昨今、お二人のお話は人に夢、希望、楽しさを与えてくれるものでした。多くの気付きを得て今後のライフスタイルについて見つめなおすきっかけをいただきました。

人と人が穏やかに繋がってみんな仲良く平和な社会・世界を願う!

最後に今後の夢や目標についてお聞きしました。

曉美さん
「これからも精進料理を伝えていきたい。みんな仲良く出来る社会にしたい。そして死ぬまで現役でいたい。」

五月さん
「同じ時を過ごしながら美味しいねと言いながらこれからも精進料理を広げて行きたい。人と人が穏やかに繋がって争いごとのない平和な世界になることを願っている。」

市民活動は必ず目的と使命があります。Ioriさんの目的は平和な社会にしたいということ。無慈悲な事件が相次いでいる昨今なんとかならないものかと無性に悲しくなるばかりですが、精進料理を作りながら精進の心を伝えていく活動は、きっと多くの人に優しい心と平穏をもたらしてくれることでしょう。ご姉妹が醸し出す雰囲気はどこまでも自然体で、こんなふうに美しく年を重ねていきたいですね。